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【長野県初】リニューアブルディーゼルを燃料としたバスの実証実験を行いました

株式会社ヤマサは2023年8月1日に、株式会社INPEXと連携し、アルピコ交通株式会社の協力を得て、乗鞍高原(長野県松本市)から乗鞍岳畳平(岐阜県高山市)まで、リニューアブルディーゼルを燃料としたバスで試走する実証実験を行いました。

 

 

昨今、カーボンニュートラルに対する取り組みが求められていますが、大型バスの水素化や電動化は多額の費用やインフラの整備が必要です。さらに、山岳の多い長野県内においては、電気や水素の出力で登坂できるか、寒冷地であっても走行できるかといった課題があります。

そこで、次世代バイオ燃料・リニューアブルディーゼル(Renewable Diesel、以下RD)を給油したバスの試走を実施しました。
RDは既存の車両/給油関連施設で利用開始できるほか、ライフサイクルアセスメントベースで温室効果ガス排出量が既存の軽油に比べ約90%削減できる特長があります。今回はご縁があり、日本第1号のゼロ・カーボンパークであり、「乗鞍ライチョウルート」愛称決定から2周年をむかえ、サステナブルな観光地づくりの機運が高まる乗鞍高原を舞台に、山岳地帯での試走イベントを行いました。

 

 

■県内初となる試走に向けて、軽油の抜き取りとRDの給油作業を実施
イベント前日にはアルピコ交通株式会社のご協力をいただき、ヤマサ燃料部が手作業で大型観光バスから軽油を抜き取り、RDを給油しました。RDは欧米ではメジャーであるほか、日本でも大手物流会社等での利用がはじまっていますが、国内では税制上の軽油と異なる扱いとなるため、給油の際には県税事務所の立ち合い検査を受けました。

 

 

 

■試走には環境に携わる県内外の関係者が参加し、2,702m地点まで無事完走
イベント当日、経済産業省や環境省、松本市役所、のりくら観光協会などからも関係者が出席くださり、乗鞍観光センターにてオープニングセレモニーを実施しました。

 

(株式会社ヤマサ 代表取締役 北爪)

 

(株式会社INPEX 井上様)

 

 

セレモニーの後には、RDを給油したバスは煤煙が出にくいことやニオイが少ないことを参加者のみなさまに体験いただき、「RDの高いポテンシャルを肌で感じられた」「広く普及する社会の実現を目指したい」など、期待の声を寄せていただきました。

 

 

 

 

その後、RDを給油した大型観光バスは関係者を乗せて乗鞍高原の乗鞍観光センターを出発し、日本一高い地点のバスターミナルである乗鞍岳 畳平バスターミナル(標高2702m)まで往復約100分を試走しました。

 

 

 

 

長野県内においてRDを燃料としたバスの試走は初の試みであり、さらに山岳エリアでの走行は世界的にも例がないとされていましたが、今回の試走で急峻な山道においても無事に走行できました。運転手からも登坂や燃費に問題ないことを確認いたしました。

 

 

また、往復のバス内では乗鞍在住のセツ・マカリスターさんに、乗鞍でゼロカーボンに向けて官民一体となって取り組んでいる理由や具体的な取り組み内容についてレクチャーをしていただき、標高の高い地域だからこそ気候変動の影響を大きく受けていることを学びました。

 

 

ヤマサでは、今回得られた知見をもとに、長野県内での販売実現にむけて検証や取り組みを進めていきます。また、RDの普及を通じ、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。

 

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