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【産学官連携】害獣駆除システムおよび害獣駆除プログラムで特許を取得しました

 2022年7月から開始した産学官連携プロジェクト(当時は産学連携)「いたずらネズミとお手伝いドローン」において研究・開発している「害獣駆除システムおよび害獣駆除プログラム」が、2024年2月29日付けで特許登録がされました。当社にとって2件目の特許取得となり、改めまして関係各者の皆様に御礼申し上げます。

 当特許は産学官連携プロジェクトに端を発し、信州大学工学部との共同出願により登録されました。その内容を以下に紹介いたします。

 

システム全体のイメージ

 大きく以下の4機能が組み合わさった次世代の害獣駆除システムです。各機能を当社と信州大学工学部、長野県松本工業高等学校とで役割分担し、開発を進めてまいりました。

 ① AIによる動体検知【ヤマサ】

 ② 3Dマップ制作(三次元再構成)【信州大学工学部】

 ③ 最適飛行経路生成【信州大学工学部】

 ④ ドローン飛行【松本工業高校】

 

 

 

●システムの特徴

 ドローンによる鳥獣被害対策とAIによる動体検知を組み合わせた技術はすでに特許として存在していましたが、当特許は屋内空間で自動飛行することを特徴としています。

 ドローンは、屋外よりも屋内空間を飛行させる方が、難易度はぐっと高くなります。私たちはその屋内空間を3Dマップ化し現実空間を仮想空間に変換させ、仮想空間の中で検知位置・ドローン位置・最適な飛行ルートを生成します。仮想空間の情報を元に飛行コマンドを実行することで、現実空間でドローンを自動飛行させます。

 また、AIでの検知により、昼夜を問わず数や場所などの測定ができ、現状把握や効果検証などのメジャメントが可能になることも特徴です。

 

 

 

●なぜヤマサが害獣駆除システムに取り組んだのか

 米穀業を祖業として、創業150年という歴史を持つ当社は、農業関係者の皆様に大変お世話になって参りました。皆様からのお困りごとの1つとしてネズミ対策があり、なかなか解決できない課題でした。社会一般的には大型鳥獣による被害の方が、被害額は大きく、注目を集めますが、近年鳥インフルエンザの媒介者としてネズミの可能性がささやかれるようになり、また日本標準産業分類にもペストコントロール業が2023年4月に新規立項されたことで、社会課題としての重要性は高まりつつあります。

 農業関係者の皆様の課題から検討を開始し、課題の重要性を勉強させて頂きながら、開発に乗り出しました。

 

 

 

●今後の展望

 上記の通り、ペストコントロールの技術の1つとして、活用頂けたらと考えております。ペストコントロール業界の方々や、農業関係者の皆様、長野県産業振興機構をはじめご協力者の支援をいただきながら、社会ニーズや必要とされる機能追加や、汎用性と完成度の向上を目指してまいりたいと思います。引き続きご支援の程よろしくお願い致します。

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